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コンテナ運賃、北米向け急騰。米中関税合意で需給逼迫

アジア発・北米向けコンテナ運賃が急騰している。上海航運交易所(SSE)がまとめた16日付の上海発コンテナ運賃指数(SCFI)は、米西岸向けが前週比32%上昇の3091ドル、米東岸向けが22%上昇の4069ドルといずれも前週から700ドル超の高い上昇率を示した。12日の米中関税合意を受けて、米国向けのコンテナ予約数が急増しているとみられる。

 西岸、東岸のいずれも2カ月以上前の2月第3週並みの運賃水準に戻した。前年比ではなお3―4割低い水準だが、直近の下落基調から急反発している。4月上旬に米国が各国向けに追加関税を発動後、中国発・米国向け貨物は高い関税率を嫌気してブッキングの停止が相次ぎ、北米航路では欠便やサービス休止を余儀なくされていた。

 直近の中国発北米向けは輸送量、船腹供給量とも3―4割ほど減っていたとされる。しかし、12日に米中両政府が互いに課していた追加関税を一時的に大幅に引き下げることで合意。これを受け、輸送需要の大幅な増加が見込まれていた。

 米調査会社VIZIONによると、中国発・米国向けコンテナ貨物の予約数は米中関税合意があった12日に急増。同日の予約数は追加関税発動後の1日平均2万TEUほどから一気に同4万TEU近くまで跳ね上がった。15日には4万6355TEUと合意前最後の平日だった9日からわずか4日で倍増。予約数は前年同月比ではなお低水準にとどまるものの、急激な回復が見られる。

 コンテナ船社は急激な需給逼迫(ひっぱく)を受けて、4月以降に減らした北米航路の船腹供給量を順次戻す構えだ。ただ、北米航路から引き上げた輸送力をアジアや欧州などの他航路に振り向けた船社もあり、船腹供給の回復には時間がかかる可能性がある。貨物の殺到で米国港湾の混雑も予想され、短期的には運賃の上昇が避けられない情勢だ。

 英調査会社ドゥルーリーが15日発表した世界コンテナ運賃指数(WCI)も上海発ロサンゼルス向けが前週比16%上昇、同ニューヨーク向けが19%上昇とそれぞれ2割近く上昇している。同社では「太平洋航路のスポット運賃は今後も上昇が予想される」としている。

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